腰痛なのに、なぜ股関節を見るの?

腰と股関節のつながりを知ると、腰痛の見え方が変わります
「腰が痛いのに、どうして股関節を動かすんですか?」
「腰痛と股関節って関係あるんですか?」
「股関節が硬いと腰痛になるのでしょうか?」
相模原なのはな整骨院 鍼灸院で腰痛の方を診ていると、こうした質問をいただくことがあります。
腰が痛いのだから、腰だけを診てもらう。
一見すると、それが自然に思えます。
しかし、人の身体は腰だけで動いているわけではありません。
立つ。
歩く。
しゃがむ。
椅子から立ち上がる。
物を拾う。
靴下を履く。
身体をひねる。
こうした日常動作では、腰と股関節が一緒に働いています。
そのため、股関節が十分に動かなかったり、左右で動きに差があったりすると、本来股関節が担当するはずだった動きを腰が補うことがあります。
この“腰の頑張りすぎ”が、腰痛に関係している方もいます。
実際、2024年の系統的レビューでは、腰痛がある人では、股関節の可動域、筋力、筋活動、動作などに違いがみられる研究が複数報告されています。一方で、「股関節が硬いから腰痛になる」と因果関係まで単純に断定できるわけではありません。だからこそ、腰痛の方では腰だけでなく股関節も確認する価値があります。
相模原なのはな整骨院 鍼灸院では、
「腰が痛いから腰だけ」ではなく、「なぜ腰へ負担が集まっているのか」
という視点で身体を確認しています。
腰と股関節はすぐ近くにあります
股関節は、骨盤と太ももの骨をつなぐ関節です。
身体の中でも比較的大きく動く関節で、
- 曲げる
- 伸ばす
- 外へ開く
- 内へ動かす
- 内外へひねる
といった多方向の動きができます。
一方、腰椎は上半身を支えながら、前後左右への動きや回旋に関わります。
つまり、腰と股関節は、
上半身と下半身の動きをつなぐ“隣同士のパートナー”
です。
股関節が十分に働けば、立ち上がりやしゃがみ込み、歩行などの動作を腰だけに頼らず行いやすくなります。
反対に、股関節の動きが少ない場合は、腰が代わりに大きく動いて補うことがあります。
だから、腰が痛い方でも股関節を確認するのです。
股関節が硬い=必ず腰痛になるわけではありません
ここは非常に大切です。
「股関節が硬いから腰痛です」
と単純に説明されることがあります。
しかし現在の研究では、腰痛がある人の一部で股関節の可動域が小さい傾向が報告されているものの、それだけで腰痛の原因を説明することはできません。
2019年の系統的レビューでは、特に股関節の内旋可動域の低下と非特異的腰痛との関連が報告されましたが、エビデンスの質は非常に低いと評価されています。2024年のレビューでは、腰痛群で股関節可動域や股関節外転・伸展筋力などに違いがみられる報告がまとめられていますが、研究結果にはばらつきがあります。
つまり、
股関節は腰痛を見るうえで重要。でも、股関節だけを原因にしてはいけない。
これが、なのはなの考え方です。
では、どんな腰痛で股関節を見るのでしょうか?
1.靴下を履くときに腰が痛い
靴下を履く動作では、股関節を大きく曲げる必要があります。
股関節が十分に曲がらないと、腰や背中を大きく丸めて足へ近づくことがあります。
すると、
「靴下を履くと腰が痛い」
「朝、ズボンを履くのがつらい」
という症状につながる場合があります。
この場合、腰だけでなく股関節がどの程度曲がるかも確認します。
2.椅子から立ち上がると腰が痛い
立ち上がりでは、
- 股関節
- 膝
- 足首
- 腰
が連動します。
股関節を十分に使えない場合、上半身を勢いよく起こしたり、腰を反らしたりして立つことがあります。
また、左右どちらかの脚ばかり使っている方もいます。
そのため、
「長く座った後、立つ瞬間に腰が痛い」
という方では、
- 股関節の曲げ伸ばし
- 左右の荷重
- お尻の筋肉
- 立ち上がり方
なども確認します。
3.前かがみになると腰が痛い
床の物を拾うとき、
腰だけを曲げる必要はありません。
股関節を後ろへ引きながら動くことで、腰と股関節へ負担を分散できます。
ところが股関節を使いにくい方では、
腰だけを大きく曲げて物を取る
ことがあります。
その動作を仕事や家事で何度も繰り返せば、腰への負担が増える可能性があります。
だから前かがみ腰痛でも、股関節を見ることがあります。
4.立ち仕事で腰が痛い
第5章でもお伝えしたように、立ち仕事では股関節が重要です。
歩く。
方向を変える。
しゃがむ。
作業台へ身体を近づける。
こうした動作で股関節が動きにくい場合、腰へ負担が集中することがあります。
特に、
「長く立っていると腰を反らしたくなる」
「片脚に体重を乗せないとつらい」
という方では、腰だけでなく股関節周辺も確認します。
5.長時間運転後に腰が伸びない
運転中は股関節が曲がった状態が続きます。
長時間座った後、
「車から降りた瞬間に腰が痛い」
「股関節が伸びず、腰を反らして立つ」
という方では、股関節の動きが関係している場合があります。
前章の運転腰痛でも触れましたが、運転後の腰痛は腰だけではなく、お尻や股関節の状態を確認することが大切です。
股関節の「内旋」が腰痛に関係することがあります
股関節には「内旋」と呼ばれる、太ももを内側へひねる動きがあります。
研究では、腰痛がある人で股関節内旋可動域が小さい傾向が報告されています。
たとえば、歩行や方向転換、スポーツ動作では、股関節が少しずつ回旋します。
この動きが十分でない場合、身体をひねる際に腰が多く動いて補うことがあります。
ただし、
内旋が硬い=必ず腰痛の原因
ではありません。
人によって関節の形も違います。
そのため当院では、「何度動くか」という数字だけではなく、
- 左右差
- 動かしたときの痛み
- 腰の症状の変化
- 実際の歩き方や動作
を合わせて確認します。
お尻の筋肉も腰と股関節をつないでいます
腰痛の方では、お尻の筋肉の状態も重要です。
特に、
- 大殿筋
- 中殿筋
などは、股関節の動きや骨盤の安定に関わります。
2024年の系統的レビューでは、腰痛がある人で股関節外転筋・伸展筋の筋力低下や、特定動作での筋活動の違いが報告されています。
だからといって、
「お尻が弱いから腰痛です。筋トレしましょう」
と全員に同じ運動をするわけではありません。
実際には、
筋力が弱い方。
筋肉が緊張しすぎている方。
動作のタイミングが違う方。
痛みで力を出せない方。
さまざまです。
まず状態を確認する必要があります。
股関節が柔らかければ腰痛にならない?
これもよくある誤解です。
股関節が柔らかいことと、腰痛がないことは同じではありません。
柔軟性が高い方でも腰痛になることはあります。
反対に、股関節が硬くても腰痛がない方もいます。
大切なのは、
「柔らかいか硬いか」だけではなく、「必要な動作で適切に使えるか」
です。
たとえば、
しゃがむとき。
歩くとき。
立ち上がるとき。
物を持つとき。
腰と股関節がうまく役割分担できているかを確認します。
股関節のストレッチをすれば腰痛は治りますか?
股関節周囲のストレッチで楽になる方はいます。
しかし、
「腰痛=股関節ストレッチ」
ではありません。
無理に股関節を伸ばすことで、腰や股関節の痛みが悪化する場合もあります。
特に、
- 股関節そのものが痛い
- 鼠径部が痛い
- 脚へしびれがある
- 強く曲げると鋭く痛む
- 動かすと引っかかる
といった場合は、自己流で強くストレッチせず、状態を確認しましょう。
股関節をほぐせば腰痛が改善する?
股関節周辺の筋肉をほぐすことで、腰痛が改善していく方が多くいます。
ただ股関節だけではなく
背中。
腰。
股関節。
仕事。
睡眠。
活動量。
身体全体を見ながら選ぶことが重要です。
腰痛だと思っていたら「股関節そのもの」の病気の場合もあります
これも重要です。
腰痛やお尻の痛みだと思っていても、実際には股関節自体が症状に関係している場合があります。
股関節の問題では、
- 鼠径部が痛い
- 太ももの前側が痛い
- 靴下を履きにくい
- 足の爪を切りにくい
- 車の乗り降りで股関節が痛い
- 歩き始めが痛い
- 股関節の動きが明らかに狭い
といった症状がみられることがあります。
腰と股関節は近いため、痛みの場所だけでは区別しにくいことがあります。
そのため当院では、必要に応じて医療機関での検査をおすすめしています。
腰痛と変形性股関節症は関係しますか?
変形性股関節症では、股関節の痛みや可動域低下に伴って歩き方や身体の使い方が変化することがあります。
その結果、腰へ負担を感じる方もいます。
逆に、腰の神経が原因で股関節周辺へ痛みを感じる場合もあります。
つまり、
腰が原因で股関節周辺が痛む場合もあれば、股関節が原因で腰へ負担がかかる場合もある
ということです。
股関節の痛みで病院を優先した方がよいケース
次のような場合は、整骨院だけで様子を見ず、整形外科などの医療機関へ相談してください。
- 転倒後から股関節や腰が強く痛い
- 体重をかけて歩けない
- 鼠径部に強い痛みがある
- 夜間も強く痛む
- 発熱を伴う
- 痛みが急速に悪化する
- 股関節がほとんど動かせない
- 脚の力が入りにくい
- 強いしびれがある
特に高齢者の転倒後などでは、骨折が隠れている可能性もあります。
無理に動かしたり矯正したりせず、医療機関で確認することが大切です。
相模原なのはな整骨院 鍼灸院では股関節をどう確認する?
腰痛の方に股関節を見る場合、ただ「硬いですね」で終わりません。
次のような点を確認します。
股関節の曲げ伸ばし
左右で違いがあるか。
動かしたとき腰痛が変化するか。
内旋・外旋
股関節をひねったときの左右差や痛みを確認します。
片脚立ち
片脚で立った際、
- 身体が大きく傾く
- 腰が痛む
- お尻に力が入らない
などがないかを確認します。
立ち上がり
股関節を使えているか。
腰を反って立っていないか。
左右どちらかへ偏っていないか。
しゃがみ込み
股関節だけでなく、膝や足首も含めた全体の動きを確認します。
歩行
股関節が伸びるか。
左右で歩幅が違わないか。
腰を大きくひねって歩いていないか。
こうした動きを見ながら、
股関節が腰痛へどの程度関係しているのか
を考えます。
なのはなの腰痛×股関節への施術
お身体の状態によって、次のような方法を組み合わせます。
手技療法
腰だけでなく、お尻や股関節周囲、太ももなどの筋肉を確認します。
筋肉が硬い=強く揉むという考えではなく、症状や動きに合わせて行います。
骨盤・股関節周囲への調整
股関節や骨盤周囲の動きが腰への負担に関係している場合には、身体への負担を抑えながら動きを整えます。
無理に関節を鳴らすことを目的とはしません。
鍼治療
腰やお尻、股関節周辺の筋肉に深い緊張がある場合、鍼治療をご提案することがあります。
手技とは異なる刺激で筋肉へアプローチする選択肢です。
ラジオ波温熱
冷えや筋肉のこわばりが強い場合に、ラジオ波温熱を組み合わせることがあります。
すべての方に行うものではなく、状態を確認して判断します。
動作・セルフケア
日常生活で、
- 腰だけで物を拾わない
- 股関節や膝も使う
- 長時間座った後は急に動かない
- 痛みが出ない範囲で歩く
など、その方に合った方法をお伝えします。
なぜ「股関節を柔らかくすること」をゴールにしないのか
当院の目的は、
「股関節が○度曲がるようになること」
ではありません。
患者さんにとって大切なのは、
朝起きやすくなる。
靴下を履ける。
仕事でかがめる。
子どもを抱ける。
車から降りられる。
歩いて買い物へ行ける。
そういった日常生活です。
可動域の数字は、そのための一つの情報にすぎません。
身体の数字ではなく、生活の変化を見る。
これは、なのはなメソッドで大切にしている考え方です。
相模原で腰痛と股関節の関係が気になる方へ
「腰を治療しても何度も戻る」
「股関節が硬いと言われた」
「靴下を履くと腰が痛い」
「椅子から立つ瞬間につらい」
「腰だけでなく、お尻や鼠径部も痛い」
このようなお悩みがありましたら、一度ご相談ください。
相模原市中央区富士見、相模原中央病院隣の相模原なのはな整骨院 鍼灸院では、痛む腰だけで施術を決めることはありません。
腰。
骨盤。
股関節。
お尻。
背中。
必要に応じて膝や足首。
身体全体の動きを確認します。
そして、
「股関節が硬いから腰痛」
と単純に決めるのではなく、
その股関節の状態が、今の腰痛や生活動作と本当に関係しているのか
を丁寧に考えます。
腰痛改善のゴールは、身体を完璧な形にすることではありません。
やりたいことを、痛みへの不安を減らしながらできる身体を目指すこと。
私たちは、そのために必要な施術やセルフケアを一緒に考えていきます。


